「こんなに大きなキュウリがあるんですかぁ」と、ひなちゃんが興味を持ったのはトウガンでした。漢字では「冬瓜」と書きますが、暑い時季に出回りますね。夏に収穫して、涼しい所に丸ごと置いておけば冬まで貯蔵できるとか。
「カットして売られている場合は、皮にハリがあって、切り口が新鮮でみずみずしいものを選んでね」と、江上料理学院副院長の江上佳奈美先生が教えてくれました。さらに、「味や香りにクセがなくて淡泊だから、うまみのある食材と合わせて料理するのがおすすめよ」。
ぴったりなものがおうちにありました。ホタテ貝柱の水煮缶です。早速、煮物を作ってみました。
まずトウガンのかたい皮をむきます。ピーラー(皮むき器)を使わず、包丁で厚めにむくのがコツ。そうすると、中までしっかりと味がしみ込むそうです。煮崩れ防止のために面取りをしてから下ゆでします。竹串を刺して、やっと通るくらいのかたさを目安にしました。
ホタテ水煮缶の缶汁を加えた煮汁で、トウガンを煮ます。透明感が出て、やわらかくなればOK。「時間があれば味を含ませるために、このまま冷ますといいの」と江上先生。小ネギを加えて一煮すれば出来上がりです。
涼やかで、夏の食卓に映えます。トウガンのとろける口当たりに夏バテ気味の体も心もほどけていくようです。ママは「このうまみたっぷりのスープが絶品ね!」。スープも余すことなく飲み干しました。つめたく冷やして食べてもおいしそうです。
(取材協力・江上料理学院)
■材料・3人分
トウガン……500グラム
ホタテ貝柱水煮缶詰(ほぐし身、内容量65グラム)……1缶
ショウガ……5グラム
小ネギ(1センチ長さに切る)……2本分
鶏がらスープのもと……小さじ2分の1
■作り方
❶トウガンは皮を厚めにむき、種とワタを取り除く(正味量約350グラム)。一口大に切って、面取りをする。
❷鍋に①を入れて、かぶる程度の水を注ぎ入れ、かために下ゆでして水気を切る。
❸ショウガは皮をむいて千切りに。
❹鍋にホタテ水煮缶を缶汁ごとと水1カップ、鶏がらスープのもと、②③を入れて蓋をし、15分ほど煮る(トウガンに竹串を刺してすっと通るくらいのやわらかさになるまで)。火から下ろし、できれば一度冷ます。
❺④に小ネギを加え、一煮して器に盛る。
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