
15年前はわずか4人だった上方落語界の女性芸人が、4倍以上の18人に増えている。近年のブームを背景に落語家が増えており、同時に女性の数も増加。江戸時代に発祥し芸風・演目が男性視点で発展した話芸だが、女性落語家は、婚活や女子会を題材にした創作落語など、独特の視点で新風を吹き込む。女噺家(はなしか)の寄席も登場するなど、新たな歴史が刻まれつつある。(津谷治英)
【写真】性をテーマにした大胆な演目を看板にする桂ぽんぽ娘さん
■婚活、女子会…感性光る演目
落語の定席(じょうせき)「神戸新開地・喜楽館」(神戸市兵庫区)の舞台に、女性落語家6人がずらり。唯一の男性、桂文太さんが司会を務める大喜利だ。女性陣はAKB、USJと書いた色紙を手に、英略語3文字にかけたオチで笑いを誘う。トリは女性の一人、露の真(まこと)さん(33)。男性社会だった落語界で、かつては考えられなかった寄席だ。
文太さんは「みんな研究熱心。今後の100年を見据えると、彼女らの感性は大事」と話す。
上方落語は戦後衰退したが、人間国宝の故・桂米朝さんら四天王と呼ばれる重鎮が再興。続く桂三枝さん(現六代目文枝)ら人気噺家が盛り上げた。2006年には定席「天満天神・繁昌(はんじょう)亭」(大阪市北区)も開場した。
だが繁昌亭の完成時、女性は4人。楽屋が一つで男女兼用だった。神戸市兵庫区出身で1982年入門の桂あやめさん(56)は、女性落語家の先駆者。「昔は、着物を肩に羽織って隠して着替えましたわ」と笑う。
当時、古典落語は男性視点の物語ばかり。「女噺家がしゃべると、人物が男か女か分からんようになるお客さんがいましてね。落ち込みました」とあやめさん。
髪を切り、化粧せずに男物の着物で高座に上がったことも。試行錯誤の末、女性が登場する創作にたどりついた。女子大生や店員らが、うわさ話や愚痴を言う日常を表現した。「自分の声で話せるのが楽でした」。師匠である先代文枝さんが「これはお前にしかできんなあ」と、褒めてくれたのが忘れられない。
2年前に開館した喜楽館には楽屋が二つあり、女性が働きやすくなった。現在の女性18人のうち、多くは30歳前後の若手だ。
あやめさんは今、宝塚歌劇をモチーフにした寸劇風企画、音曲漫才などにも挑戦する。「若い女噺家には、今の時代に合ったものを掘り起こしてほしい」
■下ネタあえて看板に 桂ぽんぽ娘さん
地域活性化の期待を担う神戸新開地・喜楽館。オープン1年半を過ぎた今、重視するのが若い女性客の拡大だ。女性落語家は、その中心的役割を果たすことを期待されている。そんな女性落語家の中でも異彩を放つのが、桂ぽんぽ娘(こ)さん(40)。性のテーマを笑いに変える演目を、続々と披露している。
-あえて下ネタを看板にしている。
「先輩から批判されたことも。でも、落語は男性視点の話が多い。特に色っぽいネタは、男性に都合良く物語ができています。当初は古典を修業しましたが、心に響かず悩みました。若い女性には受け入れられないだろうなと」
-それで女性の視点から性を考えた。
「男性視点の話では、女性客の支持は得られません。性を切り口に、女の生き方を落語で表現したいと考えたんです」
-女性ゆえの悩みは。
「イベントで、私の肩に手を回したり、抱きついてきたりする男性がいるんです。『触らないでください』と言うと、逆切れされました。そんな間違いはしっかり正したい」
-今後の目標は。
「最近はLGBT(性的少数者)の研究もしています。創作落語もつくりました。空手道場の跡取り息子が主人公で、女性に興味を持てないのに、男らしさを求められて苦しむ内容です。性の考えには個人差がある。これからも多様な考え方を表現したい」
◇
神戸新開地・喜楽館は3月2~8日、女性落語家ら約10人が出演する女流特集ウィークを開く予定。前売り2300円、当日2800円。同館TEL078・335・7088
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February 29, 2020 at 04:00PM
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