楽天則本昂大投手が、感謝を胸に大役に臨む。2年ぶり6度目の開幕投手を前日に控えた18日、対するオリックスの本拠地・京セラドーム大阪で最終調整を行った。

グラウンドのマウンドに立ち、座った捕手へ8球の試運転。「ようやく開幕するなと。落ち着いてはいますけど、楽しみにしています」と高ぶりを言葉にした。

困難を乗り越え、幕開けを迎える。未曽有の事態で奮闘する人々へ「たくさんの方々のおかげでプロ野球が開幕できることに感謝したいです」と思いを込めた。広々としたスタンドに人影はない。打者へ立ち向かう鬼気迫る表情を、ファンは生で見られない。「画面越しでも伝わる気迫、いいプレーをたくさんしたい。ファンのみなさんが、球場で僕たちを応援してくださる日が楽しみ。それまでは画面の前ですけど、全力で応援してくれたらうれしいです」。

自粛期間中、ワインドアップからノーワインドアップへの新フォーム挑戦を決断。調整登板は2度だけで「正直、例年の開幕戦に比べれば入り方は難しい。少なからず不安はあります」。やるべきことは1つ。「その中でもやっていくのがプロ。自分のやれる仕事をしたい」。勝利をつかみとるだけだ。【桑原幹久】