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社説 県内修学旅行 地域の成り立ちを知ろう - 信濃毎日新聞

 心待ちにした遠方への旅はかなわない。その代わり、足元にある多様な魅力に気付くことができた―。

 新型コロナウイルスの感染予防のため、県内の多くの学校が修学旅行先を県内や地元に変更している。

 県内や地元巡りを体験した中学生から、これまで知らずにいた地域の良さに触れたことを素直に喜ぶ声が聞かれる。

 学校生活の大切な思い出になる修学旅行は、仲間と昼夜行動を共にして視野を広げる貴重な校外学習の場だ。そこで本来学ぶべきことは何なのか。いま改めて考える機会にしたい。

 伊那市春富中の3年生126人は先月、クラスごとに善光寺や松本城などを2泊3日で巡った。

 長野市の松代大本営地下壕(ごう)、阿智村の満蒙開拓平和記念館を見学したクラスがあった。梓川でラフティング、軽井沢町でカーリングを体験。宿泊先の山ノ内町の温泉旅館では従業員と懇談もした。

 事前学習の余裕はなかった。行程も主に担任が設定した。それでも、行く先々での人々との出会いに新鮮な驚きがあった。

 県内の魅力をもっと知りたくなった。クラスの絆が強まった…。本紙「ヤンジャ」に集まった感想は、級友と濃密な時間を共にしながら信州に暮らしていることを意識できた充実感がうかがえる。

 長野市裾花中の30人は諏訪湖で競技用ボートのオールをこいだ。木曽町の生徒たちはタクシーに分乗して木曽郡内の各地を巡った。協力して動く楽しさ、地元を知る意義を感じ取ったようだ。

 県教委によると、本年度に修学旅行を実施済みか予定している公立小中の7割弱が行き先を県内に変更した。例年、小学校は東京、中学は京都・奈良方面が多い。

 歴史や文化が学べる素材は、それぞれの地域の中にも豊富にあるはずだ。目線を近くに持っていくことが必要ではないか。

 上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」など平和教育に役立つ個性的な文化施設もある。蚕糸など地域産業の歴史を伝える施設も多い。自治や産業を支える大人たちと話す機会は、各地域の成り立ちを学ぶことにもつながる。

 残念なのは修学旅行を中止した高校が多いことだ。公立の4割に上る。教育課程や進路に関わる日程が窮屈な事情もあろう。

 たとえ短い旅程でも、日常や学校を離れて地域を見つめることは将来の仕事について考える上でも貴重な機会となろう。生徒とともに工夫や検討を重ねてほしい。

(11月2日)

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