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楽天キャリア 期待したい2つの機能(アスキー) - Yahoo!ニュース

第4のキャリアである楽天モバイルが商用サービスを開始する。期待したいのはSIM情報をオンラインで書き込む「eSIM」、Wi-Fiを通じて音声通話ができる「Wi-Fi Calling」など、既存キャリアにはない機能性だ。

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 4月8日、いよいよ「第4のキャリア」である楽天モバイルが商用サービスを開始する。月額2980円で使い放題。ただし、楽天モバイル自前網のみという制限つきだ。
 
 ソフトバンクが全国で23万基地局でエリアを整備する中、楽天モバイルは3月末で4400局しか存在しない。都内であれば地上はなんとかなるかもしれないが、地下鉄や地下街はほとんどが未整備だ。ローミング先であるauネットワークにつなぐ際には月間2GB(ツージービー)までしか使えない※。超過した際には128kbpsで我慢するか、1GB500円で追加購入する必要がある。
 
 いろいろ制約はあるが、300万人まで「1年間無料」ということで、多くのユーザーが殺到するだろう。1年間、毎月2GB以上が無料で使えると思えば悪くない。とりあえず、お試し的に使うには最高の回線と言える。
 
 ネットワークに不安は感じるものの、端末やサービス関連に関して、楽天モバイルは新しい取り組みをしているので、ここはぜひとも期待しておきたい。4社間で料金競争が起こるかは未知数だが、楽天モバイルが機能やサービス面での競争を引き起こす可能性は十分にありえそうだ。
 
※編註:楽天モバイルの発表会の質疑応答で司会が2GBを「ツージービー」と読み、回答者と視聴者の両方を混乱に追いやった。
 
●「eSIM」への期待
 個人的には期待しているのがeSIMだ。
 
 楽天モバイルではオリジナルスマホ「Rakuten mini」において、eSIMを採用してきた。SIMカードスロットはなく、オンラインでSIM情報を書き込んだり、抜いたりすることが可能だ。
 
 実際に筆者はRakuten miniに、普段、アメリカで契約しているGoogle Fiの回線を、eSIMで契約情報を書き込むことに成功した。eSIMであれば、1台のスマホに複数回線、契約情報を書き込み、切り替えて使うと言ったことが可能になる。
 
 最近ネットでは、Rakuten miniに書き込まれたeSIM情報を、オンライン経由でiPhoneのeSIMとして書き込むことに成功したという報告も上がっている。
 
 最近のiPhoneはSIMカードスロットに加えて、eSIMに対応。日本ではIIJmioなどの回線を書き込むことが可能となっている。
 
 SIMロックが解除されたiPhoneである必要があるが、iPhoneの「副回線」として、楽天モバイルの回線を活用するというのも悪くないだろう。
 
●eSIM対応が楽天の強みに
 今後、「楽天モバイルを試してみたい」でも「2台目のスマホを新たに買うのも面倒だし邪魔」という人で、すでにiPhoneを持っているのであれば「iPhoneの副回線として、eSIMに楽天モバイルを書き込む」という人も増えてくるだろう。
 
 「楽天モバイルを手軽に試してもらう」という意味で、楽天モバイルがeSIMに対応したというのは賢い選択といえそうだ。
 
 実は既存3キャリアは、eSIMに対して消極的だ。eSIMに対応すると、契約を解約され他社に流出する恐れを懸念しているようだ。
 
 モトローラの折りたたみスマホ「razr」は、構造上、eSIMのみにしか対応していない。eSIMしかないため、キャリアとしては採用しにくく、日本でキャリアがrazrを扱う可能性はかなり低いのだという。
 
 3キャリアがeSIMに及び腰のなか、楽天モバイルが当たり前のようにeSIM対応デバイスを積極的に採用するようになると、3キャリアにとってみれば脅威になるのではないか。
 
●「Wi-Fi Calling」への期待
 もうひとつ、楽天モバイルに期待しているのがRCS(リッチコミュニケーションサービス)とWi-Fi Callingだ。
 
 楽天モバイルでは「Link」というコミュニケーションアプリを提供している。Linkは世界的に普及が進みつつあるRCSという規格に準拠している。大人数でのチャット、音声通話、SMSなどの機能が統合されている。国内の音声通話もLink経由なら無料だ。
 
 楽天モバイルユーザー間ではLinkでやりとりができるし、他社ユーザーにはSMS経由でメッセージが届けられる。
 
 ただ、楽天モバイルユーザーだけのチャットとなると、周りにどれだけのユーザーがいるかどうかは、かなり微妙ではある。既存3社では、「+(プラス)メッセージ」が標準となっている。こちらもRCSベースとなっているだけに、ぜひともここは相互接続してもらいたいものだ。
 
 ここで注目しておきたいのがWi-Fi Callingだ。
 
 Wi-Fi Callingは、LTEなどのセルラー接続が圏外であっても、Wi-Fiに繋がっていれば音声通話ができてしまうというものだ。
 
 楽天モバイルは、いまのところ、ネットワーク整備が完璧ではない。自宅が都内であっても圏外もしくは電波が弱いという人も多そうだ。そんなときでもスマホがWi-Fiに繋がっていれば、きちんと電話の着信を受けられるようになる。
 
●後発だがiPhoneで差別化ができる
 実はすでにiPhoneはWi-Fi Callingに対応済みだ。
 
 今後、楽天モバイルがiPhoneを取り扱うようになり、正式にネットワークがiPhoneに対応すると、楽天モバイルでの音声着信をiPhoneのWi-Fi Callingで受けるということも不可能ではないだろう。
 
 そうすると、既存3社のiPhoneでは提供されていなかった機能が楽天モバイル回線なら使えることになる。
 
 楽天モバイルは後発ではあるが、iPhoneで他社と差別化することができるのだ。
 
 ネットワーク整備において他社と肩を並べるのは難しいが、機能やサービスにおいては、楽天モバイルにやれることは多いし、他社を出し抜くことも不可能ではない。まさに新しい機能やサービス競争に持ち込めると、楽天モバイルの存在感も増してくるのではないだろうか。
 
 
筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)
 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。
 

文● 石川温 編集● ASCII

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