
相次ぐ中止、復活期したい
2020年4月20日 午前7時30分【論説】新型コロナウイルスの感染防止のため、各地の伝統行事が中止や延期、変更を余儀なくされている。関係者の落胆は大きいが、安全対策上やむを得ない措置だ。ただ、地域コミュニティーの形成にも大きな役割を果たす行事だけに、手だてを講じ後世に継承したい。
福井市では、県無形民俗文化財に指定されている行事で、毎年5月5日に行われてきた「じじぐれ祭り」「花山行事」の中止が決まった。同日の「したんじょう」は10月に延期される。火産霊(ほむすび)神社で5月24日に奉納されてきた「馬鹿ばやし」は中止になった。
北陸三大祭りの一つ、坂井市の「三国祭」は山車(やま)の巡行を取りやめるなど規模を縮小。浄土真宗中興の祖、蓮如上人の肖像画「御影(ごえい)」を携え、京都市の東本願寺から、あわら市の吉崎東別院まで門徒らが歩いて往復する「御影道中」は、車で御影を運ぶことになった。
県内だけでなく、全国各地で伝統ある祭事が中止や変更に追い込まれている。 京都三大奇祭の一つとして知られる今宮神社の「やすらい祭」は、ハイライトの鬼に扮(ふん)した少年たちの踊りが中止になった。疫病退散を願う祭りだが、子どもたちの安全を優先した。
いずれも長い歴史のある行事だけに、関係者は「苦渋の決断」と口にする。
祭りでは人と人が近い距離で接することもある。中国・武漢市では1月に春節の到来を祝う伝統的な大宴会が開かれ、コロナ感染が拡大したのではと疑われている。こうしたことが起きないよう、開催には慎重な判断と、開催するにしても十分な安全対策が欠かせない。
伝統行事は住民が地域の歴史に思いをはせ、親睦を深める機会になってきた。しかし近年は、過疎化や少子高齢化による参加者の減少、後継者難もあり、継続が難しくなったケースも少なくない。コロナ対策による中止がこうした動きを促進しないよう、それぞれの地域で存続に向け知恵を絞りたい。
今回中止するにしても、練習を積んできたり、将来担い手になったりする子どもたちに、その理由をきちんと説明することは大事だ。また、行事の手順などを文字や映像で記録しておけば、将来の再開に役立つだろう。
東日本大震災の際には、祭りの復活が地域住民に元気を与えたといわれている。全国の祭り好きの人たちが祭りに関する写真や動画を投稿し、オンライン上で祭りの魅力を語り合うプロジェクトもスタートした。伝統行事には無病息災などを願い、後世に伝えようとした祖先の切実な思いが込められている。この機会に、改めて地域の伝統行事のもつ意義や価値を考えたい。
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April 20, 2020 at 05:30AM
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