三木義和さん（41・藍住町出身）
「みんなで汗をかいてくたくたになって、その日の作業が終わったときに夕日を見たらすごい幸せな気持ちになるんです」。いきいきとした表情で話すのは情熱カンパニー代表の三木義和さん。阿南市見能林町にある15ヘクタールの田畑を拠点に野菜や米を栽培し、スーパーや生協の宅配などの流通にのせている。同時に、病気や障がいを抱える人の就労をサポートする「チーム情熱プロジェクト」にも取り組む。さまざまな背景や個性のあるスタッフが働いている。「みんながここで働いていると自慢できるような会社にしたいんです。多様性が会社としての広がりと強さをもたらすと思います」。
2002年、三木さんは神戸の大学を卒業後、派遣会社に就職した。売上やコスト削減を追い求める厳しい環境の中で、営業手法や結果を出すことを学んだ。30歳になり、一生やっていく新たな道を模索する中で胸にあったのは「もっとワクワクする仕事をしたい」という思い。しかし、ワクワクする仕事ってなんだろう…と考えていた時に目に入ったのがTPP（環太平洋パートナーシップ協定）の農作物の輸出入に関する規制緩和のニュースだった。「農業も変革を求められている。そこに何かしらのビジネスチャンスがある。それに、農業ってなんか面白そう」という思いつきは、いつしか三木さんの「農業でビジネスがしたい」という夢に発展していった。とはいうものの、農業に関する知識はゼロだった。
まずは香川県にある農業法人で、独立を前提に修行させてもらい、イロハから学ぶことにした。2010年のことだ。トラクターの乗り方や種の蒔き方、農家としてまた農業法人としての経営も実際に農作物を育てながら知識を身につけていった。2年が経った頃、阿南市見能林町に大きな農地が空いていると聞き、即座に移住を決めた。大規模な農業ができるチャンスが訪れたのだ。
2012年からは、周囲に知り合いもいない中で、野菜を成長させるための環境を整え、地域の方との関係を築いていくことに注力した。
株式会社情熱カンパニーを立ち上げたのは2014年。社名には、温かい思いやりという“情（なさけ）”の心と自分自身の夢をかなえたいという“熱”い思いを込めた。運転資金の50万円を元手にチャレンジが始まった。ところがスタート間もなく台風が襲来する。ハウスが浸水し栽培していた青梗菜はすべて全滅。自らの力ではあらがいようのない天災で大きな打撃を受けてしまう農業の大変さを実感した。ハウスを修復し、一から種を蒔き直した。
青梗菜から始まった栽培品目は続々と増え、今ではキャベツ、白菜、ブロッコリー、ネギ、米などの出荷も行っている。
活動は徳島県内に止まらない。カンボジアでの農業にも挑戦している。また神戸にも拠点展開し、農業と福祉のビジネスを広げている。「今まで夢を追い求めて生きてきたんです。きっとこれからも」と三木さん。「花の栽培をはじめ、他の地域に拠点を持つこと、さらに、従業員が住める家、みんなで育てたお米や野菜が食べられる社員食堂をやっていきたいです。その先に、今まで経験してきたことを学びたい人に伝えられる夜間学校を作りたい」。
現在のスタッフは約70人。年齢層は19歳から71歳までと幅広い。「1つの社会を作りたいなと思っています。いろんな世代、立場の人がおって、それぞれに得意な光るものがあって、仲間がいるこの場所が居場所になるようなそんな社会。働いているみんなが楽しいと思うことが大切で、それが自分の一番の幸せです。農業がその幸せを教えてくれました」。サラリーマン時代を経て農業家という人生を歩む三木さんの農業ライフはまだ始まったばかりだ。
>>一緒に働く仲間を募集中
問い合わせは電話、HPから
0884-28-9138
"したい" - Google ニュース
June 18, 2020 at 03:00AM
https://ift.tt/2YbHj1z
「会社を一つの社会にしたい」農業から生まれる夢を追う 「情熱カンパニー 」 - 徳島新聞
"したい" - Google ニュース
https://ift.tt/30GEsO4
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "「会社を一つの社会にしたい」農業から生まれる夢を追う 「情熱カンパニー 」 - 徳島新聞"
Post a Comment