Search

関電賠償請求 信頼回復への契機にしたい - 読売新聞

 電力会社は利用者が支払う料金に支えられている。事業の公益性を改めて自覚し、再出発の契機にせねばならない。

 元役員らによる金品受領問題で、関西電力は八木誠前会長ら5人に総額約20億円の損害賠償を求める訴えを起こした。

 高浜原子力発電所がある福井県高浜町の元助役から金品を受け取ったのは75人で、総額は3億6000万円に上る。東日本大震災後に減額した役員報酬を秘密裏に穴埋めしていたことも判明した。

 提訴に際しては、弁護士で作る委員会の調査で損害額を算定し、対象を5人に絞り込んだ。

 問題発覚後、経済産業省から業務改善命令を受けた。自治体からは入札の参加を停止された。会社の損害は甚大である。問題解決を先送りし、批判を恐れて隠蔽いんぺいに走った旧経営陣の責任が追及されるのは、当然だと言えよう。

 提訴された旧経営陣は、すでに退任したことを理由に沈黙を守っている。現経営陣も記者会見などの説明の場を設けなかった。

 関電は経営の透明性確保が課題だとされている。本気で改革に取り組むつもりがあるのか、疑問を抱かざるを得ない。

 なぜこのような不正が常態化したのか。どうして防げなかったのか。裁判を通じて、真相解明を図る必要がある。不正が繰り返された要因を探り、再発防止に生かすことが欠かせない。

 提訴の対象に、問題を見過ごした監査役は含まれなかった。株主からは現旧監査役への損害賠償も求められていたが、損害を発生させたかどうかが不明確だとして見送った。全容解明を妨げる恐れもあるのではないか。

 東日本大震災後、関電は原発の再稼働を進めてきた。停止中の高浜1号機、2号機、美浜3号機の再稼働には、地元の同意が不可欠だ。不誠実な姿勢を続けている限り、住民らの理解を得ることは容易ではあるまい。

 関電は今月の定時株主総会で、社外取締役らによる委員会が経営を監督する「指名委員会等設置会社」に移行する。外部の目を取り入れることで、意思決定の透明化を図る狙いがある。適切な企業統治につなげたい。

 一連の問題を巡っては、市民団体が旧経営陣を業務上横領などの容疑で刑事告発している。株主代表訴訟を起こす動きもある。

 関電に注がれる視線は厳しい。内向きと言われる企業体質を抜本的に改善し、一から出直す覚悟を内外に示すことが重要だろう。

Let's block ads! (Why?)



"したい" - Google ニュース
June 18, 2020 at 03:00AM
https://ift.tt/3dhThLG

関電賠償請求 信頼回復への契機にしたい - 読売新聞
"したい" - Google ニュース
https://ift.tt/30GEsO4
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "関電賠償請求 信頼回復への契機にしたい - 読売新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.