2018年9月から男子シングルス世界ランキング1位を継続中。18、19年の世界選手権を連覇中。19年に積み上げたツアー大会優勝11回は、男子シングルスの年間最多記録だ。バドミントンの桃田賢斗(25=NTT東日本所属)は押しも押されもしない“最強選手”である。
8月2日は東京五輪のバドミントン男子シングルス決勝が行われる1年前。桃田が東京五輪に託す思いとは何か。そして、その先にある究極の目標とは何か。

■20年は大波乱のスタート。五輪延期から数カ月、変化した心境
7月中旬。桃田は中学・高校時代を過ごした福島県で思いきり汗を流していた。ふたば未来学園バドミントン部の部員とともに、みっちり1週間の合宿。所属事務所UDN SPORTSが配信した写真やコメントから、充実感が伝わる。
20年は大波乱のスタートだった。1月にマレーシアで交通事故に遭い、2月に右眼窩(がんか)底骨折を手術。しばらくは「物が二重に見える」などの症状が残り、スマッシュなどの全力プレーに制限が掛けられていたが、6月には「感覚的にはゲーム練習を普通にできるくらいまでのレベルに戻ってきている」と自らの口で回復ぶりを説明していた。
その頃、東京五輪の1年延期についてはこのように話していた。
「正直、動揺した部分はありました。(当初の予定では)手術が終わって半年で五輪。全力で過ごしている中で延期が決まったので、(練習の)ペース配分などをどうしていいのか難しかったです」
それから数カ月が経ち、心境は変化している。
「今は試合をしたくて、ウズウズしているので、自分の中でしっかり準備ができているということだと思っています。1日1日を充実させることができているので、今のこの気持ち、この充実感を無駄にしないように継続できたらいいと思います」
■いつも真っ先に口にする「恩返し」の言葉
香川県に生まれ、小1でバドミントンを始めた。中学生になると親元を離れて福島県にバドミントン留学。高3の時に出た世界ジュニア選手権では、日本勢として初優勝を果たした。
社会人2年目の14年に日本代表入りし、同年のトーマス杯で日本の初優勝に貢献。15年に男子シングルスの日本勢で初めてBWFスーパーシリーズを制し、世界ランキングは3位に。16年には2位まで上がった。ところが、若きメダル候補として期待が膨らんだ16年8月のリオデジャネイロ五輪は、同年4月に発覚した違法賭博問題により不出場だった。
無期限の出場停止処分が明けた17年5月に再出発を果たしてからは「感謝」「恩返し」の言葉が出ない日がない。桃田はこの時期の気持ちを、今も変わらず持ち続けている。東京五輪への意気込みについて聞かれると必ず「恩返しの場にしたい」と言う。今年3月の会見で掲げた「金メダル」という目標も、桃田の真意としては“恩返しのための手段”という意味合いがあるのではないか。そう感じさせるほどだ。

■「誰からも応援され、愛される選手が一番だと思います」
東京五輪での「最大の目標」を恩返しとしている桃田には、その先に見据える「最終目標」もある。
初めて世界ランキング1位の座に就いた直後の18年秋頃のことだ。次の目標は何かと聞かれ、このように答えた。
「誰からも応援される選手。誰からも愛される選手。そういう選手が一番だと思います」
19年7月にはさらに詳しく語っていた。胸の奥に思い描いていたのは五輪2大会で金メダルを獲った林丹(中国)と、五輪3大会連続銀メダルのリー・チョンウェイ(マレーシア)の姿。バドミントンと言えばこの選手というレジェンドたちだ。
桃田は「ロンドン五輪決勝の林丹選手とリー・チョンウェイ選手の最後のラリーは、誰もがソワソワしながら見ていたかなと思います」と目を輝かせながら、言葉を継いでいった。
「2人とも、自分の国でやる大会で応援されるのはもちろんですが、外国の大会でも凄く応援されている。僕も海外で応援されることが少しずつ増えているけど、まだまだ追いつきません」
理想の選手になるには何が必要なのか。桃田はこう言った。
「スター選手たちには大事な試合で最大のパフォーマンスを出すというイメージがあります。世界選手権や全英オープンなど、主要な大会で素晴らしいパフォーマンスを発揮するのです。
彼らは、スピード面、フィジカル面、パワー面と、全部でまさっていて全体的なスキルが高いので、通常のオープン大会ならさほどムキにならなくても自分の力を普通に出せば勝てる力がある。
でも、僕にはまだ足りないところが多い。簡単にファイナルゲーム(第3ゲーム)に行ってしまったり、勢いのある相手に負けてしまったり、そういう試合があるのは、欠如している部分があるからだと思っています。僕にはもっともっと全体的なレベルアップが必要です」
この気持ちを胸に、桃田は己を律しながら鍛錬の日々を過ごしていった。19年のツアー大会11勝という歴代最多記録樹立は、彼らへの「憧れ」も大きな原動力だった。

■林丹やリー・チョンウェイのような選手に
リー・チョンウェイは19年6月に、林丹は今年7月に引退を表明した。五輪3大会を沸かせた2人がいない東京五輪に、桃田はある種の使命感を持って挑もうとしている。
「2人は僕自身が憧れてきた選手であり、目標でもありました。ああいう選手になりたい、ああいうプレーをしたいという気持ちが、僕を強くさせてくれたと思います。でも、自分が思っている世界ランキング1位のイメージと今の自分を比べると、まだまだ劣っています。プレーだけではなく、人間性や振る舞いの部分でももっと成長して、かつて僕が抱いたような憧れを、次の世代の人たちが持ってもらえるように頑張っていきたいと思います」
そのためにも、掴みかけそうになったタイミングで2度、するりと逃げている舞台を、今度こそ踏まなければならない。
「1年延期になって、今も凄くネガティブなニュースが多いですが、でも絶対に試合ができる時は来ると思います。僕はその日のために毎日を無駄にしないように頑張りたい。リオ五輪の時は自分の軽率な行動のせいで出場することができませんでした。そういう時でも支えてくれた人たちに恩返しをし、感謝の気持ちを伝えるためにも東京五輪のコートの中で、成長した自分を見せたいです」
今度こそ夢の大舞台に立つ姿を見たいという願いは、多くのスポーツファンにとっても共通の思いだろう。
「誰からも応援される選手になるのが自分の最大の目標であり、最終目標です。たくさんの方々に見てもらえる機会が東京五輪。どんなときも精一杯コートの中で自分を表現して、諦めない姿勢や、泥臭いプレーを見てもらいたい、人々を勇気づけたい。その結果、自分の夢に近づけられたら良いと思っています」
最強の選手から最高の選手へ。その日が来ることを桃田は信じている。

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【連載 365日後の覇者たち】1年後に延期された「東京2020オリンピック」。新型コロナウイルスによって数々の大会がなくなり、練習環境にも苦労するアスリートたちだが、その目は毅然と前を見つめている。この連載は、21年夏に行われる東京五輪の競技日程に合わせて、毎日1人の選手にフォーカスし、「365日後の覇者」を目指す戦士たちへエールを送る企画。7月21日から8月8日まで19人を取り上げる。
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August 02, 2020 at 07:00AM
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