近年、「コンプライアンス」ということばを耳にする機会が多くなりました。
日本語では「法令遵守」と訳されることが多いものの、実はそこが問題だと主張しているのは、弁護士である『いまはそれアウトです! 社会人のための身近なコンプライアンス入門』(菊間千乃 著、アスコム)の著者。
法令遵守とは「法律を守ること」であり、もちろんそれは大切。しかし法律違反ではなかったとしても、社会人として許されない行為は存在するということです。
私はコンプライアンス研修をするときには、コンプライアンスとは「法令遵守など」であり、この「など」もとても大事なんですよ、とお伝えしています。
法律の周辺にある社会のルールや、社会人として求められる行動規範といったものです。こういったものは時代と共に変化していきます。
(中略)変化についていけず、昔の知識のままでいると、状況を見誤り、会社の中で懲戒処分を受けるような事態に発展することがあるかもしれないのです。(「はじめに」より)
そこで、そうした時代の流れを受け、仕事やプライベートで「ついやってしまいがち」な事例を取り上げたのが本書。
それらがどのような法律違反にあたるか、あるいは会社において懲戒処分になりかねないか、ということに焦点を絞って解説しているのです。
いいかえれば、本書を参考にすると「自分が加害者にならないためにはどうしたらいいか」、また「被害者になったら、自分の権利回復のためになにができるのか」について知ることができるわけです。
きょうは第1章「仕事のアウト!」のなかから、仕事に関する3つのトピックスを抜き出してみたいと思います。
部下をみんなの前でどなりつける
何度指摘しても部下のミスがなおらず、とうとう取引先を失う事態に。
そのため上司が、多くの人がいる前で「辞めちまえ!」と、部下にどなってしまったとしたら…?
この場合、上司の気持ちが「怒りが込み上げてきて、つい強く叱責してしまった」というものであることは充分に推測できます。
しかし、そうした「正当な指導」のための発言であったとしても、行き過ぎればパワーハラスメント(パワハラ)になることがあるといいます。
ちなみにパワハラとは、①優越的な関係を背景とし、②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、③労務者の就業環境を害することを指すもの。
都道府県労働局における「いじめ・嫌がらせ」の相談件数が2018年に8万件を超えるなど、パワハラ対策が深刻な課題となっていることを受け、2019年、労働施策総合推進法が改正されました。
これにより企業は、パワハラで就業環境が悪化するのを防ぐため、総合窓口の設置などの雇用管理上必要な措置を取ることとされました(同法30条の2。ただし中小事業主は、令和4年3月31日までは努力義務)。
そのため、パワハラに該当する言動をすれば、社内規定に則り懲戒処分の対象になる可能性が高まっています。
また、昨今は、部下がパワハラをした上司や会社を相手に損害賠償請求の訴訟を起こすこともあります。(15ページより)
もちろんこのケースは、部下の教育が目的だったのでしょう。とはいえ同僚の前で激しく怒られてしまった部下は、ひどく落ち込んで職場に来るのが嫌になってしまうかもしれません。
そのため別室で注意する、再発防止策を一緒に考えるなど、他の方法を考えることも必要になってくるわけです。
しかし、そうした手段を選択しなかった以上はパワハラと認定される恐れがあるので、なるべく控えたほうがいいということです。(12ページより)
白紙の領収証に水増し金額を入れて会社に請求
大口の取引先を行きつけの小料理屋で接待した際、「白紙領収証」を店からもらい、実際に支払ったよりも多い金額を記入したとしましょう。
つまりは「水増し請求」です。経費が使い放題だったバブル時代によく聞いたケースですが、場合によっては刑罰の対象になったり、会社から懲戒処分を受けることがあり得るのだとか。
具体的にどのような刑罰の対象になるかというと、まず、あたかも記載した金額を支払ったかのように装って、実際よりも多い金額を受け取る行為は、詐欺罪(刑法246条)にあたる可能性があります。
詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
また、虚偽の金額を白紙領収書に記入し提出することは、有印私文書偽造罪(同法159条1項)および同行使罪(同法161条)に該当すると考えられます。この場合、3カ月以上5年以下の懲役の対象になります。
これらは、最初から水増し請求を目的に白紙領収書を用意させた場合も、領収書を受け取った後に金額欄が白紙だと気付いて水増しした金額を書いた場合も、変わりありません。(25ページより)
こうした行為は、就業規則上の服務規律にも違反すると考えられるそうです。
特に、詐欺に該当するような経費の不正受給は、懲戒解雇を含む厳しい処分の対象となる可能性が。安易な気持ちによる行為が、大ごとになってしまう可能性があるわけです。(24ページより)
有給休暇の申請を却下する
「うちの会社は慢性的な人手不足だから、有給休暇なんて取れないんだよ」というふうに考えていたり、部下に話している人は注意が必要。
従業員が有給休暇の申請を申し出たときは、その申請どおりに有給休暇を与えるのが原則だからです(労働基準法39条5項)。毎回はもちろん、1回であっても却下するのは問題。
有給休暇の取得を妨害した管理職は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象になることがあります(同法119条1号)。
使用者である会社も、30万円以下の罰金刑の対象になったり(同法121条)、損害賠償責任を問われることがあります。
年休の取得を推進するため、2019年4月1日以降は、年5日は必ず従業員に有給休暇を取得させることが使用者の義務となった点にも注意が必要です(同法39条7項)。(41ページより)
ただし、その従業員が休暇申請日に就労することが職場の業務上不可欠、かつ、代わりの従業員の確保が困難な場合は、企業側が、従業員が指定した有給休暇の所得時期を変更することが可能(同法39条5項但書)。
これを時季変更権といいます。
また、およそ20%の企業が導入している計画年休制度では、5日を超える分については、企業側が従業員の有給休暇の時期を指定できることになっているそう(同法39条6項)。
とはいえ、これらは条件つきで時期を変更できるというだけのこと。従業員には有給休暇を取得する権利があるわけです。(40ページより)
*
どんな事案であったとしても、絶対に自分は加害者、被害者にはならないと言い切れるものはありません。
したがって、日常のさまざまなことがらについて「無意識のうちに加害者になっていたかも」「これっておかしいんじゃないかと気になっていたけど、やっぱりアウトだったんだ」と気づくことができれば、多くのリスクを排除することができるはず。
そのためにも、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか?
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Source: アスコム
Photo: 印南敦史
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October 05, 2020 at 04:30AM
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