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味、原材料……アイデア入力でAIがレシピ キリン、新商品開発に活用 - ITmedia NEWS

産経新聞

 キリンホールディングス(HD)子会社で清涼飲料大手のキリンビバレッジが、商品開発に人工知能(AI)を導入することが4月27日、分かった。熟練開発者の思考パターンを基にした専用ツール「アセスメントAI」の開発に成功し、4月から試験運用を始めた。開発工程のデジタルトランスフォーメーション(DX)で、高いレベルの品質が求められる健康関連商品の開発を加速させる。

photo インタビューに応じるキリンビバレッジの吉村透留社長=26日、東京・中野(岩崎叶汰撮影)

 産経新聞のインタビューに応じたキリンビバレッジの吉村透留(とおる)社長は、「ルーティンをAIに任せることで、よりおいしく、より機能性の高い商品を考案する時間に充てていく」と述べた。

 アセスメントAIは、過去に開発したレシピとノウハウをデータベース化。味や原材料など新商品のおおまかなアイデアを入力することで、類似レシピや適正包材を複数提供する。同時に関係法令や製造工程条件など、品質リスクとなりうる事象を提示する。

 清涼飲料の開発で、工程条件や関係法令のリスク評価をレシピ提案と同時に行うAIは珍しい。

 キリングループでは、ビールの商品開発でもレシピ候補を示すAIを導入している。清涼飲料はより原材料の幅が広く、開発者の経験次第では、レシピや品質リスクの確認に膨大な時間がかかっていた。特に新しい健康領域はまだ知見が少ない上に、乳酸菌など扱いの難しい素材を使用するケースがあり、多くのデータを蓄積する必要があった。

 吉村氏は「経験が浅くても、斬新なアイデアを持った人が商品開発に携わることもできる」と話す。

 清涼飲料を巡っては、新型コロナウイルス禍に伴う外出自粛の影響で市場が縮小。キリンは、付加価値の高い健康領域を新たな成長の柱に据えており、3月に全国展開を始めた機能性表示食品の飲料「キリンiMUSE朝の免疫ケア」など新規性の高い商品開発を進めている。

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