桜も葉桜に変わり、若草が色鮮やかになりました。今が旬といえばタケノコ。日本と中国特有の、竹の芽の部分を頂く食材です。最も出回っている孟宗竹(もうそうちく)は地下茎が深く、タケノコが地面から顔を出すとえぐみが出始めるので、その前に掘って採ります。淡竹(はちく)や真竹(まだけ)などの種類もあります。地下茎が浅いので地面から顔を出してから収穫します。
野菜の中では食物繊維が多く、ダイエット中の方にもうれしい食材です。カリウムも多く含まれていますが、下ゆですると減ってしまいます。当日朝に採れた新鮮なタケノコなら下ゆでが不要なのでカリウムも取ることができます。
タケノコに白っぽい物が付いていることがあります。これはチロシンと呼ばれる栄養の一つ。集中力を高める、ストレスや疲労を緩和する効果があると言われています。
タケノコは時間がたつに連れてアクが強くなります。生タケノコは新鮮なうちに下ゆでを。米ぬかと唐辛子を入れてアク抜きをするのが一般的です。ない時には入れなくても大丈夫。「唐辛子を買ってきてから」と遅くなるくらいなら、いち早くゆでる方がアクやえぐみの増加を抑えられます。先に半分や四等分くらいに切り、皮もむけば普段の鍋でもゆでられます。ゆで時間も若干短く済み、アクやえぐみも抜けやすくなります。
タケノコがしっかりつかる量のお湯でゆで、竹串がすっと通るまで柔らかくなったらゆで汁に浸したまま冷まします。さらにえぐみが減ります。旬は今ですが、水煮なら一年中手に入ります。買う時は柔らかい穂先が多く入っているものを選ぶのがオススメ。
そろそろ大型連休。タケノコ掘りに行ってみるのもいかがでしょうか? 外の空気を感じつつ心穏やかに過ごしたいですね。今回は手軽な下処理の仕方、「タケノコと春キャベツのグリル」の作り方を動画にしました。そちらもご覧ください。
◆材料 2人分(1人あたり114キロカロリー 塩分1.6グラム)
タケノコ200グラム/春キャベツ150グラム/ベーコン50グラム/ニンニク1片/オリーブオイル小さじ1/塩小さじ1/3(2.0グラム)/黒こしょうお好み
◆作り方
(1)ニンニクは薄くスライス、春キャベツは3〜4センチ大のざく切り、ベーコンは拍子切り、タケノコは放射状にくし切りにする。
(2)フライパンにオリーブオイルを入れて中火で温める。
(3)ベーコンとタケノコを入れて片面をこんがりと焼く。
(4)焼けたらひっくり返し、塩を加え、ニンニクを散らしてフタをし、中火弱で蒸し焼きにする。
(5)5分ほどたったらフタを外し、中火に火を強め、キャベツを加えて30秒ほど炒める。
(6)皿に移し、お好みで黒こしょうを振る。
<やまと・さおり> 管理栄養士、料理研究家。1989年、水戸市生まれ。東京農大卒。市内で「お料理教室オムスビ」を開講している。
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