ウクライナ料理のレシピを販売集めた資金で避難を支援｜NHK 首都圏のニュース - nhk.or.jp

かつて都内で料理教室の講師を務め、軍事侵攻が始まったときには現地で暮らしていたウクライナ出身の女性を支援しようと、教室の仲間たちが、女性が残した「レシピ」の販売を行いました。
集まった資金を使ってこの女性は家族とともに国外へ無事に避難できたということです。

このレシピは、５年ほど前まで東京・港区で料理教室の講師を務めていたウクライナ出身のヴェラさんが残したもので、ボルシチやキーウ風のカツレツといったウクライナの家庭料理など３０種類のメニューの作り方をまとめています。
ヴェラさんはロシアによる軍事侵攻が始まったとき出身地のキーウで暮らしていましたが、経済的な事情などで現地から避難できずにいました。
そこでヴェラさんが講師を務めていた料理教室を経営する棚瀬尚子さんは、ヴェラさんが残したレシピを日本で販売することで、避難や今後の生活のための資金を用意できないかと考えたということです。
棚瀬さんはホームページで周知し、料理教室の講師や生徒たちと１セット２０００円でレシピを販売したところ、およそ６００人が購入し１２０万円ほどを集めることができたということです。
ヴェラさんは先月、この資金を使って家族とともに国外へ無事に避難することができました。
棚瀬さんたちは、ウクライナに限らず、紛争や自然災害など、困っている人たちの手助けになればと考えていて、今後は、何らかの寄付をしたことを証明する領収書などがあれば、レシピを無料で配ることにしています。
棚瀬尚子さんは「侵攻が始まったあとに電話したときは『怖い』と声が震えていて、とても心配していましたが、たくさんの人が手伝ってくれたおかげで道が開けました。ヴェラさんも支援に感謝し、レシピが広がったことを本当に喜んでいます」と話していました。

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